髙橋健司著
四六判並製 192頁
定価1,500円+税
ISBN978-4-434-33568-6
ポジティブ心理学はウェルビーイングな保育・幼児教育のためにどう活用することができるのか? ポジティブ心理学の「セルフエスティーム」「レジリエンス」「グリット」により、保育・幼児教育が抱える諸問題の解決策を提示する!
今日も日本のどこかで「不適切保育」が行われています。このままでは、子どもや保護者、そして保育者自身が不幸です。不適切な保育は、子どもや保護者の心身に深刻な影響を与えます。どうすればこの状況を打破できるか。それは、保育者自身が「ポジティブ心理学」を学び、個人の「強み」を自覚し、磨き、実践することです。それが子ども・保護者・保育者を幸せ(ウェルビーイング)に導くために最も有効であり、「不適切保育」がない世の中を築く方法であると確信します。――はじめにより
はじめに
序章 保育・幼児教育と「ポジティブ心理学」
ウェルビーイングとは何か
ウェルビーイングが注目されるようになった理由
保育・幼児教育におけるウェルビーイング実現のために
第一章 ウェルビーイングを考える
世界幸福度調査とウェルビーイング五要素
PERMA理論と保育・幼児教育
幸福学の視点「幸せを構成する四つの因子」
第二章 子どもの「非認知能力」を育む
非認知能力を育むことがウェルビーイングにつながる
セルフエスティーム:ありのままの「自分軸」で生きる
レジリエンス:「心のしなやかさ」で逆境を乗り越える
グリット:才能やIQや学歴よりも「やり抜く力」
第三章 子どものウェルビーイングを高める
安心の土台「アタッチメント(愛着)」の形成
「遊び(体験)」を通じて自己効力感を育てる
子どもの「強み」を見つけて伸ばす
「寄り添う」:感情やニーズに応える
「見守る」:主体性と創造性を育む
「誰ひとり置き去りにしない」:多様性と個性を尊重する
ウェルビーイングな保育行事とは何か
幸せを引き寄せるポジティブな習慣づくり
ウェルビーイングを創出する自然保育「森のようちえん」
第四章 保育者のウェルビーイングを高める
保育者の抱えるストレスをコントロールする
「VIA診断」:強みを発見し、自分を活かす
保育者のやる気とモチベーション
人事と職場の人間関係に悩まないコツ
求められるリーダーとしてのスキル
保育現場における「アンガーマネジメント」
マインドフルネス瞑想と四つの幸せホルモン
第五章 保護者のウェルビーイングとポジティブ心理学
保護者は保育者に何を期待しているのか
保護者からの「無理な要望」や「過度なクレーム」への対処
子育てと仕事の両立のコツ
子どものしつけとウェルビーイング
家族コミュニケーションの質とスキル
おわりに
中野明著
四六判並製 188頁
定価1,500円+税
ISBN978-4-434-33652-2
ポジティブ心理学はウェルビーイングな生き方のためにどう活用することができるのか? ポジテイブ心理学による「やり抜く力=グリット」や「レジリエンス」により、持続的幸福を達成するためのアプローチを提示する!
いま、ポジティブ心理学に熱い視線が集まっているのは、多くの人が持つ「少しでも幸福に生きたい」という希望に対して、ポジティブ心理学が何らかの指針を与えてくれるのではないか、と期待されているからではないでしょうか。実際、ウェルビーイングの向上を支援するポジティブ心理学では、科学的な研究を通じてその理論や具体的方法を数々編み出してきました。これらを理解して自身の人生に適用していけば、よりウェルビーイングの高い生活を送れるに違いありません。本書はそのための基本知識を提供するために執筆したものです。――はじめにより
はじめに
第一章 ポジティブ心理学とは何か
ポジティブ心理学の成立と定義
ポジティブ心理学が注目される理由
ポジティブ心理学の全体像を平易に知るために
第二章 幸福とウェルビーイングの科学
世界幸福度ランキング
幸福からウェルビーイングへ
ウェルビーイングとPERMA理論
P:ポジティブ感情
E:エンゲージメント・没入・没頭
R:関係性
M:意味・意義
A:達成
ウェルビーイングを決定する要因は五つだけ?
第三章 ポジティブ感情のパワー
ポジティビティは人を長寿にする
ポジティビティは身体に好影響を及ぼす
ポジティビティは人を幸せにする
ポジティビティは成功の確率を高める
「拡張‐形成理論」とは何か
ネガティブになりやすい日本人
説明スタイルを切り替える
ポジティブ感情の増やし方
ネガティビティにもメリットがある
第四章 ポジティブな人間関係の構築
コミュニケーション・スキルの向上と共感
相手に心から共感し理解する
ポジティブ・フィードバックの提供
感謝の実践
コンフリクトの解消
ポジティブなリーダーシップ
自己認識と良好な人間関係
第五章 「強み」の育みとその活用
才能と努力、どちらが重要なのか
「強み」を理解する
好きこそものの上手なれ
内発的動機づけと外発的動機づけ
自分が持つ資質の傾向を調べる
強みを何に活かすのか
差別化と統合化
第六章 「できる」をより強化する処方箋
資質を開花させる「一万時間の法則」
研鑽ゾーンにおける目標
エンゲージメントとフロー
フローモデルに三つの円を重ねる
「やり抜く力=グリット」を高める
グリットと関心の輪の関係
継続した練習は脳の変化をもたらす
第七章 レジリエンスとストレス・コーピングの方法
ストレスとレジリエンス、ストレス・コーピングの関係
構成概念としてのレジリエンス
ストレス・コーピング戦略
誤った信念に気づく
SPARKモデルを理解する
ネガティブな捉え方のクセを表す七羽のオウム
感情をコントロールする有効テクニック
自分でコントロールできないことは無視せよ
マインドフルネスによるストレス軽減
トラウマを負った後にも成長はある
第八章 ポジティブ心理学の展望と課題
ポジティブ心理学の教育への応用
ポジティブ心理学の組織への応用
テクノロジーの有効活用
ポジティブ心理学が持つ今後の課題
あとがき
索 引