新刊


ポジティブ心理学の教科書 ウェルビーイングな生き方を求めて

 

 中野明著

 

四六判並製 188頁

定価1,500円+税

ISBN978-4-434-33652-2

 

ポジティブ心理学はウェルビーイングな生き方のためにどう活用することができるのか? ポジテイブ心理学による「やり抜く力=グリット」や「レジリエンス」により、持続的幸福を達成するためのアプローチを提示する!

  

いま、ポジティブ心理学に熱い視線が集まっているのは、多くの人が持つ「少しでも幸福に生きたい」という希望に対して、ポジティブ心理学が何らかの指針を与えてくれるのではないか、と期待されているからではないでしょうか。実際、ウェルビーイングの向上を支援するポジティブ心理学では、科学的な研究を通じてその理論や具体的方法を数々編み出してきました。これらを理解して自身の人生に適用していけば、よりウェルビーイングの高い生活を送れるに違いありません。本書はそのための基本知識を提供するために執筆したものです。――はじめにより

 

はじめに

第一章 ポジティブ心理学とは何か

ポジティブ心理学の成立と定義

ポジティブ心理学が注目される理由

ポジティブ心理学の全体像を平易に知るために

第二章 幸福とウェルビーイングの科学

世界幸福度ランキング

幸福からウェルビーイングへ

ウェルビーイングとPERMA理論

P:ポジティブ感情

E:エンゲージメント・没入・没頭

R:関係性

M:意味・意義

A:達成

ウェルビーイングを決定する要因は五つだけ?

第三章 ポジティブ感情のパワー

ポジティビティは人を長寿にする

ポジティビティは身体に好影響を及ぼす

ポジティビティは人を幸せにする

ポジティビティは成功の確率を高める

「拡張‐形成理論」とは何か

ネガティブになりやすい日本人

説明スタイルを切り替える

ポジティブ感情の増やし方

ネガティビティにもメリットがある

第四章 ポジティブな人間関係の構築

コミュニケーション・スキルの向上と共感

相手に心から共感し理解する

ポジティブ・フィードバックの提供

感謝の実践

コンフリクトの解消

ポジティブなリーダーシップ

自己認識と良好な人間関係

第五章 「強み」の育みとその活用

才能と努力、どちらが重要なのか

「強み」を理解する

好きこそものの上手なれ

内発的動機づけと外発的動機づけ

自分が持つ資質の傾向を調べる

強みを何に活かすのか

差別化と統合化

第六章 「できる」をより強化する処方箋

資質を開花させる「一万時間の法則」

研鑽ゾーンにおける目標

エンゲージメントとフロー

フローモデルに三つの円を重ねる

「やり抜く力=グリット」を高める

グリットと関心の輪の関係

継続した練習は脳の変化をもたらす

第七章 レジリエンスとストレス・コーピングの方法

ストレスとレジリエンス、ストレス・コーピングの関係

構成概念としてのレジリエンス

ストレス・コーピング戦略

誤った信念に気づく

SPARKモデルを理解する

ネガティブな捉え方のクセを表す七羽のオウム

感情をコントロールする有効テクニック

自分でコントロールできないことは無視せよ

マインドフルネスによるストレス軽減

トラウマを負った後にも成長はある

第八章 ポジティブ心理学の展望と課題

ポジティブ心理学の教育への応用

ポジティブ心理学の組織への応用

テクノロジーの有効活用

ポジティブ心理学が持つ今後の課題

あとがき

索 引 


マズロー心理学入門〈新装版〉 人間性心理学の源流を求めて

 

 中野明著

 

四六判並製 192頁

定価1,500円+税

ISBN978-4-434-33096-4

 

人間性心理学の源流に位置するマズロー心理学とは何か? 著名な欲求階層論から自己実現、さらに至高経験と自己超越からユーサイキアン・マネジメントまでをマズローの生涯に沿って解説する!

  

マズローの執筆スタイルは、経験した事実を次々と列挙する現象学的手法を採用しています。またこれに加えて、マズローの著作が論文や講演原稿の編纂であることも、書籍を通読する障害になっています。本書では、入門者が陥るこのような障害を回避しつつ、マズローの人と思想を手軽かつより深く理解できるようにしました。ーーはじめにより

 

はじめに

第1章 アブラハム・マズローの人と思想

マズローとは何者か

内気な少年

心理学を一生の仕事に

サルの研究者として

性科学の道へ進む

知性の粋にふれる

ブラックフット・インディアンとの出会い

思想的転換、内的変化

早過ぎた死

マズローの主要7著作

マズロー心理学とフロイト心理学の違い

第三勢力としてのマズロー心理学

人間性心理学の方法論

マズローの業績を時代区分する

第2章 欲求の階層

マズローが唱えた欲求階層論

欲求階層論の概略

ジャングルで暮らす5人

欲求の階層と健康度は相関する

基本的欲求は悪ではない

欲求階層論とX理論・Y理論

欲求階層は不動ではない

相対的に高次な欲求の特徴と相対的満足度

欲求階層論が適用できない場合

第3章 自己実現

リーダーシップと自己実現

ヴェルトハイマーとベネディクト

自己実現を研究するための方法

自己実現者に共通する15の特徴

自己実現者に見る使命と職業

自己実現者が追求するB価値とは何か

職業人が持つべき価値観について考える

創造性と自己実現の深い関係

第一次創造性と第二次創造性

成長動機と自律性

ヨナ・コンプレックスに注意せよ

自己実現のための方法論

再びリーダーシップと自己実現

第4章 至高経験と自己超越

至高経験とは何か

マズローの至高経験に関する研究

至高経験と当為の認知

至高経験に至る方法

ポジティブ・フィードバッグを実践する

フロー体験に至るための方法論

インスタントな至高経験への批判

欲求の第6の階層

第5章 ユーサイキアン・マネジメント

ユーサイキアン・マネジメントに至る経緯

ユーサイキアとは何か

シナジーの提唱者ルース・ベネディクト

シナジーとユーサイキアの密接な関係

ユーサイキアにはモデルがあった

ユーサイキアン・マネジメントとは何か

ユーサイキアン・マネジメントの優れた点

企業が目標とすべきものは何なのか

X理論・Y理論からZ理論へ

マズローとドラッカーの共通点

マズローのドラッカー批判

ユーサイキアとは逆の方向を向く現代マネジメント

第6章 ユーサイキアは実現できるのか

ハクスレーの小説『島』とブラックフット・インディアン

ユーサイキア社会のリーダーシップ

マズロー派の経営学者がいない理由

税金に関するマズローの主張

それでもマズローは理想を目指す

あとがき

索 引