新刊


マズロー心理学入門〈新装版〉 人間性心理学の源流を求めて

 

  中野明著

 

四六判並製 192頁

定価1,500円+税

ISBN978-4-434-33096-4

 

人間性心理学の源流に位置するマズロー心理学とは何か? 著名な欲求階層論から自己実現、さらに至高経験と自己超越からユーサイキアン・マネジメントまでをマズローの生涯に沿って解説する!

  

マズローの執筆スタイルは、経験した事実を次々と列挙する現象学的手法を採用しています。またこれに加えて、マズローの著作が論文や講演原稿の編纂であることも、書籍を通読する障害になっています。本書では、入門者が陥るこのような障害を回避しつつ、マズローの人と思想を手軽かつより深く理解できるようにしました。ーーはじめにより

 

はじめに

第1章 アブラハム・マズローの人と思想

マズローとは何者か

内気な少年

心理学を一生の仕事に

サルの研究者として

性科学の道へ進む

知性の粋にふれる

ブラックフット・インディアンとの出会い

思想的転換、内的変化

早過ぎた死

マズローの主要7著作

マズロー心理学とフロイト心理学の違い

第三勢力としてのマズロー心理学

人間性心理学の方法論

マズローの業績を時代区分する

第2章 欲求の階層

マズローが唱えた欲求階層論

欲求階層論の概略

ジャングルで暮らす5人

欲求の階層と健康度は相関する

基本的欲求は悪ではない

欲求階層論とX理論・Y理論

欲求階層は不動ではない

相対的に高次な欲求の特徴と相対的満足度

欲求階層論が適用できない場合

第3章 自己実現

リーダーシップと自己実現

ヴェルトハイマーとベネディクト

自己実現を研究するための方法

自己実現者に共通する15の特徴

自己実現者に見る使命と職業

自己実現者が追求するB価値とは何か

職業人が持つべき価値観について考える

創造性と自己実現の深い関係

第一次創造性と第二次創造性

成長動機と自律性

ヨナ・コンプレックスに注意せよ

自己実現のための方法論

再びリーダーシップと自己実現

第4章 至高経験と自己超越

至高経験とは何か

マズローの至高経験に関する研究

至高経験と当為の認知

至高経験に至る方法

ポジティブ・フィードバッグを実践する

フロー体験に至るための方法論

インスタントな至高経験への批判

欲求の第6の階層

第5章 ユーサイキアン・マネジメント

ユーサイキアン・マネジメントに至る経緯

ユーサイキアとは何か

シナジーの提唱者ルース・ベネディクト

シナジーとユーサイキアの密接な関係

ユーサイキアにはモデルがあった

ユーサイキアン・マネジメントとは何か

ユーサイキアン・マネジメントの優れた点

企業が目標とすべきものは何なのか

X理論・Y理論からZ理論へ

マズローとドラッカーの共通点

マズローのドラッカー批判

ユーサイキアとは逆の方向を向く現代マネジメント

第6章 ユーサイキアは実現できるのか

ハクスレーの小説『島』とブラックフット・インディアン

ユーサイキア社会のリーダーシップ

マズロー派の経営学者がいない理由

税金に関するマズローの主張

それでもマズローは理想を目指す

あとがき

索 引 


個人心理学の技術Ⅰ〈新装版〉 伝記からライフスタイルを読み解く

 

 アルフレッド・アドラー

岸見一郎訳

 

四六判並製 256頁

定価1,700円+税

ISBN978-4-434-32749-0

 

人はなぜ神経症になるのか、どうすれば神経症は改善できるのか? 強迫神経症のウィーン女性の伝記から症状の根底にあるライフスタイルを分析する!

 

アドラーは、神経症は人生の課題を回避し、他者からの注目と支配のために創り出されると考える。本巻では、このような症状を創り出す自己中心的なライフスタイルを読み解き、その改善の指針が示される。

 

序 言

第一章 

ライフスタイル解釈の方法――甘やかせる父親の役割――家族の雰囲気

第二章

子どもの病気――就寝儀式――両親の役割――最初の強迫観念と罵り

第三章

強迫観念(続)――不眠症――友人関係と遊び――隣人――義理の姉との関係――祈り

第四章

クリスマス――聖体の祝日――懺悔――孤独の空想と女性であることの拒否――排便困難――劇場と映画――動物

第五章

両親の諍い――父の嫉妬

第六章

両親の諍い(続)――父への嫉妬――友人との遊び――最初の戯れの恋――裕福な友人

第七章

共通の友人をめぐる戦い――若い男性との交際――探偵小説――不安と不遜――父に対する恥知らずな言動――成功したピアノ演奏――初めての収入――驚くべき友人――性的な空想――性教育

第八章

性教育(続)――結婚しない決心――両親の結婚生活の妨害――露出症――美をめぐる強迫行動――父親との権力争い――慈善行為――いやなネズミ――エロティックな本――サディスティックな性的空想

第九章

親と神への強迫的罵倒――新しい不安(目、歯)――読書の断念――両親からの注目――狼瘡恐怖症

第十章

伝染不安――洗浄強迫――家族への禁止――夜の不安――学校問題――鏡不安

第十一章

鏡不安(続)――愛、結婚についての考察――新しい崇拝者とアヴァンチュール――ダンスレッスン――舞踏会――女優養成学校――仕事からの逃避――狼瘡の鎮静

第十二章

マンホール蓋不安――乗り物不安――洗浄強迫――家族への禁止――死の恐怖――将来への不安――父の病気、結婚、死――夢

訳 注

解 説